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November 30, 2008 1:28 AM
1903年、私の祖母、
濱口りゆは生まれました。
ちなみにこの年は、
ライト兄弟が初めて空を飛んだ年、
つまり祖母の人生は、飛行機の歴史と
重なっていたのでした。
三重県のディープなロケーション、
当時は火の玉だって出るくらいの
山奥深い玉滝村に生まれた祖母は、
農家の娘、「女に教育はいらん」と言われて
育ったのでした。
「でも、先生になりたかったんよ」と言う祖母は、
ひそかに先生ごっこをしたという。
地面に木の枝で黒板を描いて、
そこに文字を書く仕草をして、
遊んでいたとか。
やがて、成人して間もなく、
互いの顔も見ないという
超旧式のお見合いの末、
都会の商人のもとに嫁ぐ。
船場の商人が、祖父だ。
「人力車で田畑の間を走って、
嫁に行ったときは、そら、誇らしかったで」
嫁ぐ日を思い浮かべたとき、
祖母はそう誇らしげに語った。
田畑で仕事していた農家の人々が、
「あ、あれ、濱口さんとこの、
りゆさんや。都会へ嫁ぎはんやで」
ディープな田舎から都会へ、
チャレンジして嫁いだりゆさんの、
商人の嫁としての、
大阪での新人生が始まった。(続く)
November 28, 2008 9:50 AM
人生の転機にはいろいろなことが起こります。
しばらくブログをお休みしていたのは、
じつは私の祖母が11月12日、満月の夜に、
他界したからでした。
その夜、即座に最終便に飛び乗り、
四国、高松へ。
まだ2年前に建てられたばかりという
真新しい葬祭場の一室に、
祖母は運び込まれ、その一室で、
おふとんで寝る最後の夜を一緒に過ごしました。
東京から新幹線で駆けつける17歳の姪っ子の
出迎えのため、表に出ると、
外は、一点の曇りもない星の夜空。
さながら宮沢賢治の銀河鉄道の夜的な静けさと
澄み渡った深秋の冷気の中、
天空にはこうこうと満月が輝いている。
その瞬間、神々しい気持ちに包まれました。
満月の夜に旅立つと、格の高いところへ
行けるとーー、という言い伝えが思い浮かび、
「おばあちゃん、すごいね、よかったね」
とついつぶやいた私でした。
105歳ともなると、葬儀は祝祭?とはいえ、
やはり親しい人との別れは堪え難く哀しいもの。
もっくんが演じた「葬り人」を、いつか見たいと思っていたら、
なんと実際に目撃することとなったのでした。
若い女性と若い男性が二人で、
祖母の遺体を丁寧に洗い、洗浄し、
髪の毛も湛然に洗い、顔もエステさながらマッサージし、
きれいにそり上げ、お手入れし、
最後には湛然に化粧する男女の心のこもった行為に、
とても美しいものを感じ、えもいわれぬ感動が
沸き起こってくるのを感じたのです。
17歳の姪っ子が「あの人、なんであの仕事、
選んだんだろうね」とふとつぶやく。
時間が止まったような、不思議な体験。
まさに神秘のひとときです。
もっと神秘的だったのは、
そのあと、祖母の顔が微笑んだこと!
きっと、きれいにしてもらって、
嬉しかったのです。
最高に素敵な儀式だと思いました。
祖母の入浴をして下さった方々、
本当にありがとうございます!
死は再生の始まりであり、
永遠のエネルギーの源でもある。
祖母の旅立ちから、
私は大きなパワーを得た気がしたのです。(続く)
November 6, 2008 11:56 PM
原宿で、瞑想気分を味わうのにいいアート、
ご紹介します。おすすめです!
原宿のgyre(ジャイル)ビルの2階にある、
アートスペース「eye of gyre 」で開催されている、
瞑想的なヴィデオ展。
テーマは「in the between」。
日本語のテーマは「眠るように甦る」。
死から再生へのプロセスをチベット語で
「バルド(中有)」というのですが、
人の死後、今生の死と来世の生との中間を
意味する作品だそうです。
眠っているあいだ、人の魂は、
霊界を訪ねているという説がありますが、
いずれにせよ、この作品空間では、
ちょっと不思議な浮遊感覚と、
瞑想気分が味わえることは確かです。
会場は真っ暗闇で、中に巨大なスクリーンが3面並び、
その中央では、チベットのお坊さんたちの読経風景が流れ、
両脇のスクリーンでは、
アーティストが中国からラサに向かった、
旅の車中で撮影した風景が流れているのです。
ダライ・ラマ14世にちなんで、
14分間に仕上げられたこのヴィデオ・インスタレーションは、
イギリスのアーティスト、ダレン・アーモンドの作品。
かのデミアン・ハーストの次世代のスターと言われる彼、
いまは京都を旅して、比叡山で、
阿闍梨の撮影に挑んでいるとか。
チベットのお坊さんたちの読経は、
と〜ってもパワーあるので、
ご利益ありそう!という喜びもあり。
ぜひぜひ、お試しあれ!
November 1, 2008 12:33 AM
しばらく、ご無沙汰、でした!
さて、10月末日をもって、
大海に船出、することとなりました。
ここしばらく雑誌の枠の中にいたのですが、
枠を離れ、ちょっとリフレッシュ。
人生にはこういう転機、
折々にやってくるものですねえ。
なかなかドラマティック、です。
そして、いまいちど、
ファッション、カルチャーのスピリットに、
燃えるべく、充電中!
パリ、ミラノのコレクションで、
つくづく思ったものです。
ファッションは時代を映し出す鏡だなあ、と。
コレクション期間中、
ロシアのマーケットが低迷、閉鎖して、
ロシアン・バイヤーのキャンセルが相次いだなんて
ニュースが流れたかと思うと、
一方でクリエイションは盛り上がり、
ファッションを逆にパワーアップさせてましたよ!
こういうときこそ、ファッション、
頑張らなくっちゃ、という気分、
よくわかるよね。
かっこよさ、エレガンス、セクシィ、
やっぱりこれが、原動力、だもの。
形を進化させ続けた20世紀的ファッションから
コンテンツが問われる21世紀的ファッションへ、
ぐぐぐっと、大きくシフトして、
ファッションワールドはいま激変中。
さらなる観察、注目、始めま〜す!
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Fashion Journalist生駒芳子